読んだ本

マリア様がみてる 18 特別でないただの一日 (コバルト文庫)そして五人がいなくなる 名探偵夢水清志郎事件ノ-ト (講談社青い鳥文庫)

どちらも軽い文体だから一冊1時間もあれば読める。息抜きにはもってこい。
マリみての新刊は、学園祭のお話。祐巳と祥子が姉妹になってから1年経ったわけだ。そういえば、祥子が古典文学好きで祐巳も借りて読んでたなんていう描写もあったっけ。あれが伏線だったのか。今年も劇をやるんだけど、劇本番の描写はばっさり省略されていて拍子抜けした。この巻の目玉はあれだ、細川可南子の家庭の事情が明らかになること。まさか自分の○○が大好きな○○を○○しちゃったら、そりゃあ男性不信にもなるわな。そして和やかに終わるかと思いきや、最後に祥子の、妹を作れという容赦ない言いつけ。これで次巻も一波乱ありそう。でもこの流れだと、やっぱり祐巳の妹は可南子ってことになるのかな。いやむしろ可南子の方は問題が片付いて一歩後退、本命は瞳子かも。

はやみねかおるの方は、概ね期待どおりだった。魅力的なキャラクターも、冒険の浪漫と恐怖が混ざった全体的な雰囲気も、子供騙しのトリックも(シャーロックホームズだって今読むと結構荒っぽい推理だったりするけど、子供の頃はそれでもすごいと思った)。意外だったのは、もっとライトノベル的なノリを想像してたら、思ったより子供のために書かれていたこと。行間から、この人は本当に子供のことが好きで、子供のためを思って物語を書いているんだって事が分かった。決して、子供だからどうせ分からないだろうと手を抜いてるわけではなく、かといって作者自身が子供と同程度の思考しかできないというわけでもなく(この2つはダメなラノベの典型)、一歩引いた視点から優しく見守っているような。個人的には好感の持てる作家だ。これからも少しずつこの人の本を集めて行くこにしよう。

それにしても、『双子探偵』はこれが原作なわけだけど、かなり大胆にアレンジされてるんだな。そもそも原作だと双子じゃないし。事件の細部もまったく違う。でも、ドラマを見て原作に興味を持って、読んでみたら同じ面白さを感じたから、きっとアレンジの仕方が良かったんだろう。