読んだ本

OKAGE (新潮文庫) 魔法鍵師(ロックスミス)カルナの冒険 (MF文庫J) 吉永さん家のガーゴイル〈6〉 (ファミ通文庫) エンジェルバレット (角川スニーカー文庫)

『OKAGE』
長かった。文庫でも700Pを越えるとなかなか読み終わらない。多分残りのラノベ3冊を合わせたよりも時間がかかったんじゃないかな。その分読み応えもあって、なにより話のスケールがでかい。世紀末思想をSF的な解釈で料理するとこうなるのか、という感じでやや強引だけど納得はできた。帯には感動巨編と書いてあるけどそんなことはなくて、これはホラーであり、寓話であり、警鐘だと思う。いつもの甘々なラブストーリーも良いけど、こういうのもたまにはいいな。
ここからラノベ3連発。
『魔法鍵師〜』
そこそこ面白いストーリー。一人称のやや軽い文体。読み終わってもちっとも小説を読んだ気にならなかった。どちらかというと頭の中ではアニメーションに変換されていたような。ジブリ作品…というと言い過ぎだけど、特に冒頭の朝練のシーンなんかはそんな感じがした。全体的に悪くはないのだが、世界観のディテールが甘いのが少々気になる。これなら中途半端に中世風にするより、現代を舞台にした方が良かったのでは? あとこの恥ずかしい表紙は誰の趣味なんだろう。実は書影を表示して初めて表紙の帯に隠れていた部分を知ってちょっとダメージを受けた。
『〜ガーゴイル
そろそろ息切れしてきたかな? 作者の役者経験を反映した(おそらく)話作りにはなりふり構ってられない感が少し。その甲斐あって平均以上に面白い話にはなっていると思う。基本的に上手い作家なので、複線の張り方に唸らされたりして、なんだかんだ言って結構楽しめたのだけど。前巻で指摘した通りそろそろ登場人物が飽和状態なので、今回はだいぶリストラされていてそれが奏功している。特に今回主役の和己はこれまで割と影が薄かったのが一気に株が上がった。やるときはやるじゃん、お兄ちゃん。
『エンジェルバレット』
変態度を薄めると、普通にドツキ漫才になるのだな。さすがに天下のスニーカー文庫から出るだけあって、極端に変態的なシーンは出てこない。そのせいで見事にごく普通のラノベ仕様な作品の枠に収まっていて、ちょっと不満。別に何を期待していたわけでもないが。ラストは意外といえば意外。この手の話でハッピーエンドにならないというのは珍しいんじゃ? それともゲームの方では選択肢によって別のエンディングもあるのかな? 今のところゲームまで手を出そうとは思わないが。