読んだ本

神様が用意してくれた場所 (GA文庫)

期待以上に面白かった。短編連作形式で、ちょっと不思議な出来事+ミステリ要素+α(人の優しさだったり、切なさだったり、主人公の成長だったり色々)な話が四編と、エピローグ的な話から成る。それぞれの短編は個別に完結したお話で、単体でも良くできているんだけど、それ以上に一冊を通していくつかの謎が連鎖していって最後の話に収束していくという全体的な構成の上手さに感心した。
敢えて一番を選ぶなら、三人の女性が謎の失踪を遂げた事件を扱った『脆い女』かな。ネタバレになるので詳しくは言わないけど、発想の突飛さではなかなかのものだと思う。