Fate/stay night各キャラ雑感

今日の日記はネタばれが多いので注意。この段落を飛ばす

  • セイバー/☆☆☆(☆の数は個人的な好感度)

Fateルートではそれなりに重いものを背負っていることが語られるので勘違いしがちだが、他のルートや変な選択肢を選んだ場合の反応なんかを見ると、この人中身はすごく単純なんじゃないかと思う。生前王様だった威厳なんてどこへ行ったのか、怒ったらガオーと吠えておいしいものを食べたら機嫌が直る。一言で言えば猛獣の子供だ。まあ個人的にはこっちの方が好ましいのだが、そのためFateルートよりUnlimited Blade Worksルートの彼女の方が好感度は高い。ただしエンディングは別。Unlimited〜のGoodエンドは邪道。セイバーはあそこで消えるのが美しい。

意地悪なくせにお人好し、非情な魔術師でありながらどうしようもなく女の子であるという、相反する魅力を両立している稀有な存在。作中主人公の敵にも味方にもなるがその実ただの一度も主人公と本気で敵対することなく、ただの一度も生き方を曲げずに本来の彼女で在り続けた。普通この手のゲームのヒロインは多少なりともプレイヤーに媚びてそのキャラクターを歪まされるものだが、そういうものがほとんどなかったのが良かった(まったくなかったとは言わないが)。個人的に好きなシーンは、アーチャーとの別れのシーン、Trueエンドの放課後のシーン、それとランサーと協力する時に「一つ条件がある」選択肢を選んだときの照れ怒るシーン。Hevens Feelエンドの2年後の彼女も、「いい女」という形容詞がぴったりくる容姿でとても良い。あと、アーチャーの正体が分かった後でプロローグをやり直すと、この時のアーチャーの心理が理解できて泣けそうになる。

こういう「あなたがいないとだめなのそのためなら何でもします身も心も尽くします」というキャラは個人的に苦手なタイプ。本人にその気はないんだろうが無意識に醸し出す雰囲気がそういう保護欲をそそってる時点でどうにも。そのくせ力を得た途端誰彼構わず八つ当たりし始めるし。正義の味方ではなく誰かの味方を選ぶということ自体は納得できるのだが、その対象が桜っていうのが…。彼女に対しては同情しか感じない。別に嫌いではないけど、恋愛対象として好きにはなれないということ。あーこれ以上彼女については書くことないな。以下、その他関係者について。エンディングでライダーが魔眼封じの眼鏡をしていて、眼鏡っ娘になっていたのは確かにびっくりした。ロケ夏のはるひ先生かと思ったよ。慎二がああ見えて良い奴と言われても、どこがそうなのか。一生懸命良かった探ししたけど無理だった。そういや長男なのになんでニなんだろう。蟲爺、最後に勝手に悟りを開いて成仏したのがなんか気に入らない。

作られたもの故に無垢でかつ残虐というのは割とありがちだが、この聖杯戦争という物語には必要な存在。だからこそそんなものと関係ない幸せなエンディングが見たかった…Fateエンドが一応それに当たるのか。妹キャラと思わせて実は年上というのはなかなか興味深い。オープニングの「登場人物は全て18歳以上」っていう一文は気になっていたのだが、そういうことか。ポテンシャルは高いだけに彼女メインのストーリーがなかったのが非常に残念。あと、バーサーカーが仲間になる展開も見てみたかった。こんな感じだろうか?(きっと違う)

これまでの奈須きのこ作品の主人公と同様、無闇に無敵。今作では死後英霊化するというおまけ付きで多少の奇跡は必然性を持つようになってしまい、その不死身ぶりにはますます手が付けられない。しかしその性格はぶっきらぼうかと思えばちょっとしたことで動揺するし、普段は必要以上に物分かりが良いのに都合の良いところで鈍かったり、最後まで良く分からなかった。いつもは奥手なくせにエロシーンでは妙に積極的になって人が変わるのも月姫から変わってないなあ。今回も自由恋愛によるエロはなし。なんだかんだと外的要因によって済し崩し的にコトに至る展開はあまり好きではない。奈須さんの描く主人公は致命的にエロゲーに向いてないと思う。もっとも、エロゲー向きのキャラが主人公のエロゲーなんてものは、それはそれで逆にやりたくもないので矛盾しているのだが。