腐り姫〜euthanasia〜 / ライアーソフト

腐り姫

ほぼ想像通りの面白さに満足。妹ゲーも行くところまで行っちゃうとこうなるのかな、という感じ。最後に救いのあるエンドがあって本当に良かった。
(以下ネタバレを含む)
伝奇ホラーと見せかけて、最後の最後で突然SFになったのはちょっと蛇足だったかな。いっそ妖怪なら妖怪で、その辺りは変に説明しなくても良かったかも。周りの人が次第に偽者と入れ替わっていく部分はジャック・フィニイの「盗まれた街」を想像した。エロゲの中でなら「沙耶の唄」と「痕−きずあと−」が全体の雰囲気なんかを含めて近いと思う(どちらも好きな作品だ)。
最凶の妹ゲーの名に相応しく、樹里(実の妹)、潤(義理の妹)、蔵女(魂の妹)と妹キャラは沢山出てくるけど、個人的ベスト・オブ・妹は潤に決定。最初は冷たい態度を見せておいて実はそれが愛情の裏返しだったり、主人公にもらったヘッドフォンを今でも大切に肌身離さず持っているところとか。他の妹がどうにも腹黒い(笑)のに比べると、その健全さが逆に新鮮に思えてくる(もちろん、腹黒い妹もその一途さは決して嫌いじゃないけれど)。
ちなみに、euthanasiaとは「尊厳死(安楽死)」のことらしい。ということは、おまけっぽく見えた青磁の父親の話は意外にテーマを忠実に反映したものだったのか。