鬼哭街 終了

鬼哭街 The Cyber Slayer

むしろ読了の方が正しいか。
終わってみれば予想をはるかに裏切る面白さに満足した。特に、復讐の果てに至る穏やかで哀しい結末が絶品。救いようのない悲劇とも言えるし、ある意味で究極の幸せとも言える。それでも、犠牲にされたあり得たかもしれない未来を想うと、たまらなく切なくなる。誰かが選択を間違えなければ、決してこんな結末は迎えなかっただろう。それが誰のどの選択だったのかは必ずしも明らかでないが。

(以下少しネタバレ)
それ以外に忘れてならないのは名場面、名台詞の数々。「我はこの一刀に賭ける修羅」「内家の刀は意よりも疾い」等など。個人的に印象に残っているのは、ビルの上から地上を見下ろしながら、片手に倭刀、片手に人形の生首をぶら下げて、笑みを浮かべる主人公のCG。鳥肌が立つほどの狂気に満ちた、実に良い絵だと思う。
それにしても、最後の劉の独白は十分すぎるほど衝撃的だけど、冷静に考えると「もっと早く言ってやれよ」とツッコミを入れずにはいられない。そうすればあそこまで悲惨なことにはならなかっただろうに。