CLANNAD 藤林姉妹

ということで、物語世界についての考察はやめにして、専ら個々のキャラクターに関する雑感を書いていくことにする。今回はキャラ単体としては一番好きな藤林杏とその双子の妹藤林椋について。
椋が主人公のことを好きになった理由は、たぶん勘違いによるものだろう。椋は姉である杏のことが大好きで、杏は主人公のことが好きで。好きな人の好きなものを好きになるというのは自然な感情だと思う。ましてそれが双子の姉だとしたら、自分の感情と他人の感情の境界が曖昧になるのもわかる。椋って他人に対する依存度高そうだし、あんまり自我が確立してない感じがする。占い好きっていうのも、逆に自分の意見をはっきり持てないことの表れなんじゃないかな。だから、バッドエンドで必死に杏と同じになろうとする展開は、このときの椋の心情が理解できるだけに、見ていてとても痛かった。主人公は椋を通して杏を見ていたけど、椋の方も常に杏を意識しながら主人公とつき合っていたわけで、あの展開はどっちが悪いとも言えない。ただ、主人公が最後に取った行動(椋に全てを告げて椋を振る)は、現状維持が一番楽な選択だったあの状況では勇気のいる行動で、それほどヘタレではないと思う。まあ、あそこまで行く前にもうちょっとどうにかすれば良かったんだろうけど。勝平ルートで最終的に椋が柊勝平と結ばれたのはそれほど驚かなかった。むしろ椋が杏とは無関係に*1好きな人を見付けたことが素直に喜ばしい。彼女には主人公より柊勝平の方がお似合いだと思う。
杏が主人公のことを好きになった理由は、それらしいエピソードも含めて、作中どこにも描かれていないけど、推測することは容易い。だって春原曰く「あんたら超お似合いッスよぉーっ!」だし。きっと一緒にいて楽しいとか、気が休まるとかそんな単純な理由じゃないかと。こういうキャラは、えてして友達止まりというか、何かきっかけがないとそこから踏み出すことが難しかったりするわけだが、そのきっかけが「妹が好きな人と付き合う」ことだったわけで。そういう意味ではあの泥沼一歩手前の三角関係は、杏が幸せになるためにはむしろ必要だったと言える。実は杏の方が妹に依存していて、妹離れできてないという辺りは密かに萌えポイント。
この姉妹は、個別シナリオだけでなく他の人のシナリオでもよく出てきて、そっちでの評価も大きい。ことみシナリオとかおまじないイベントとか。特にことみシナリオでは、恋愛が絡まない分自然な関係でいられて、個人的には本人のシナリオのときよりも杏のことは好印象だったりする。

*1:勝平ルートに入るのは杏が勝平を轢き逃げした時だから、実はここでも杏は(間接的に)恋のキューピッドになっている。