妹算

  • Q:ランダムに選んだある人(Aさん)が妹である確率は?
  • A(途中経過):

Aさんが妹である確率=Aさんが第2子以降である確率×Aさんが女の子である確率
=(1-Aさんが第1子である確率)×1/2

すべての母親が一生のうちに平均してλ人の子供を産むとすると、子供が生まれる事象は希現象と考えられるから、ある母親が産む子供の数nはポアソン分布に従う確率変数になる。

これを子供の方から眺めると、自分も含めた兄弟の数がn人であり、かつ自分が何番目の子供になるかは全くの偶然によって決まるから、たまたま1番目の子供である確率は1/nに等しい(この辺から自信なし)。

このとき、1/nの期待値(ただしn>=1のとき)を求めれば良いので、
ポアソン分布の確率関数p(x)=\frac{\lambda^x}{x!}e^{-\lambda}を使い、
E(\frac{1}{n})=\sum_{x=1}^{\infty}\frac{1}{x}\cdot p(x)=\sum_{x=1}^{\infty}\frac{\lambda^x e^{-\lambda}}{x\cdot x!}=\sum_{x=1}^{\infty}f(x)
と表される。

出生率は1.5として実際にf(x)を計算してみると、

0.3347
0.1255
0.0418
0.0118
0.0028
...

となって、比較的速く収束しそう。

% perl -e'$lambda=1.5;sub f{my$x=shift;($lambda**$x)*exp(-$lambda)/$x/($frac{$x}||=frac($x))};sub frac{my$x=shift;($x>1)?$x*frac($x-1):1};foreach(1..100){$sum+=f($_)}print$sum'
0.517350632703576

あれ?この数字は絶対おかしい。どこかで考え方を間違えたかも。

  • A(続き):

ある母親が産む子供の数nはポアソン分布に従う確率変数になるところまでは合ってる。
ある子供が第1子である確率は、その子供の母親が1人以上の子供を産んでいて、かつ1人のみの場合だから、その子供が第1子である確率は、ポアソン分布の確率関数pを使って、p(1)/(1-p(0))と表せる。

% perl -e'$lambda=1.5;sub p{my$x=shift;($lambda**$x)*exp(-$lambda)/($frac{$x}||=frac($x))};sub frac{my$x=shift;($x>1)?$x*frac($x-1):1};print p(1)/(1- p(0))'
0.430825375183302

今度は正しそうな値が出てきた。
結局、(1-0.431)/2=0.285という答えになり、全人口の1/4以上は妹だということが言える。しかもあらかじめ相手が女の子であることがわかっていれば(普通はわかる)、妹である確率はなんと50%以上。つまり妹エンカウント率は相当高いということですよ(うん?ちょっと多すぎる気もするが…)
この結果をふまえて、さらにお兄ちゃんのいる妹の割合とか、妹が12人いるお兄ちゃんの割合とかを計算してみるのも面白いかもしれない。

おまけ

ちなみに、出生率が1.0,1.5,2.0,2.5,3.0のときのそれぞれの純粋妹率(全人口のうち女の子に対する妹の割合)を出してみると、
1.0: 0.418023293130674
1.5: 0.569174624816698
2.0: 0.686964714500669
2.5: 0.77643627541537
3.0: 0.842812910526232

となって、出生率が高いほど妹率も高くなる。まあ当然といえば当然。